ユーザー体験を向上させる没入感エクスペリエンスの最新技術を紹介し、その実現方法や開発手法、今後の可能性についてお話しさせていただきます。
皆さんこんにちは、
XR技術に20年以上携わるエンジニア。
セミナーやブログで情報発信しながらメタバースなど最新技術を研究しています。
ビジネスモデル構築にも注力し、未来を切り拓くゼネラリストして活動している山下です。
高品質でフォトリアルなコンテンツが体験できるって面白いですよね?
仕事でも遊びでも物理世界とデジタル世界の融合というのは、様々な分野で活用されようとしています。
特に建築や製造・設計、ヘルスケアの業界に新しいレベルの体験を提供できる環境が、デジタルツインを通じて実現出来るようになってきましたが、どうやって実現したら良いのか?どうやって開発したら良いのか?って思いますよね?
VMTの開発するメタバースプラットフォーム「VMVerse」はこちら
XR技術を使ってフォトリアルなコンテンツを実現したい!と言っても、実際問題「どうやって実現するの?」「何を使って開発・構築すれば良いの?」
3Dデータと言っても、どうやって作るのだろうか?とか3Dデータはあるのだが、どうやって活用したら良いかわからない、という方も多いのではないでしょうか?
また、凄い魅力的なので開発したい!という技術なのだが、「どんなツールや技術・言語を勉強したら良いか全くわからない」、「何から手を付けたら良いかわからない」
となって挫折してしまう開発者も多いのではないでしょうか?
このXR技術はここ2、3年で生まれた技術ではなく、少なくとも40年以上前から発展してきた技術の為、非常に熟練度や業界に精通してないといけないという事はあるのですが、
私も、エンジニアになりたての頃はこの非常にハードルが高く、数学の計算(三角関数、代数幾何)とC++やGraphics APIの理解に非常に苦しみました。
今思い出しただけで吐きそうです(笑)。
では、実現方法なのですが最近ではゲームエンジン(Unity/Unreal Engine)を利用することが多いです。
理由は簡単で、XR技術で一番難しく時間が掛かるレンダリングパイプライン処理をほぼやってくれるからです。
もちろん、内容によってはカスタマイズして調整をしないといけないですが、UnityであればHDRP、Unreal EngineであればLumenを使えば、かなりハイレベルなレンダリングを行う事が出来ます。
開発における工数やコストが大幅に削減できる優秀なツールなので、これを選ばない理由はないですね。
そして、これらのゲームエンジンは非常に優秀で、各種3DCAD(AutoCAD、Revit、SolidWorks等)で作成したコンテンツや3DCGツール(3dsMax、Maya、Blender等)を直接インポート出来る為、
今まで活用できなかった3Dデータもゲームエンジンに取り込むことが出来、システムに利用することが出来るという大きな利点があります。
弊社はさらに活用範囲を広げる為、リアルタイムに読み込んでレンダリング出来るように汎用3Dデータのインポートを自作しました。
また、3Dコンテンツの作成方法ですが、先に言った3DCGツールでモデラーが作成しますが、フォトグラメトリという技術を使えば比較的簡単に作成することが出来ます。
一番簡単な方法はiPhoneのLiDARセンサーを使えば、かなり良い感じの3Dデータを作成できますよ。
下記はLiDARセンサーで作った3Dデータです。それぞれミネラルウォーター、タンブラー、ウェットティッシュです。
デジタルツインや没入感エクスペリエンス向上には5Gの技術は欠かせなくなりました。
高速かつ低遅延を実現する5Gネットワークを使えば、写真のようなリアルなロケーションを体験できるXRエクスペリエンスを提供することが可能になります。
事例として、NvidiaはRTXのGPUを活用しクラウドレンダリング技術を向上させてきました。
NVIDIA CloudXRを使えば高画質でフォトリアルなレンダリング結果をデバイス(PC、VRゴーグル、スマートフォン)のスペックに依存せずに表示できます。
同じような実現方法としてUnreal EngineではPixel Streamingを使えば同じように高画質なレンダリング結果をデバイスを問わず、ブラウザ上で表示することが出来るので、利用者のハードルを下げ体験を向上させることが可能になります。
NVIDIA CloudXR
Pixel Streaming
また、Google Cloud、AWS、Microsoft Azure等、様々なクラウドで環境を構築することが出来る為、開発者の選択肢も増えているという事もメリットになりますね。
これらの技術を使う事によって物理(現実)世界とデジタル世界が融合され、様々は再現、改善、実現が可能になります。
デジタルツインによって、今後多くの分野でこの技術が活用されていく事は想像できると思います。
今後、XR技術はこのクラウドレンダリング技術と5Gネットワークを利用したストリーミング配信で大きく変わっていくと思います。
確かにコストの問題や事例が少ないのが現実ですが、そこに大きな可能性は十分にありますね。
XR技術を使ったシステム開発や3Dデータの活用方法はご理解頂けたと思いますし、XR技術を学びたい、開発したい人にとってもゲームエンジンを活用することにより、開発を始めるハードルを下げるメリットは理解頂けたと思います。
XR技術の開発を始めたい、XR技術を使った開発を考えている方は、下記過去記事やセミナー等でも詳しく解説してますので是非ご確認ください。
・【セミナーアーカイブ】Unity/Unreal EngineでXRを作る上で、押さえておきたい「3Dデータの構造」と取り扱い方
・次世代都市視覚化:PLATEAUとCesiumを使った3Dモデルとリアルタイム天気の新標準
・クラウドストリーミングで、もう高スペックなPCは必要ない!?
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